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「ああ皐月 仏蘭西の野は火の色す 君も雛罌粟(コクリコ) 我も雛罌粟」

パリにいる夫、鉄幹を恋い焦がれ、彼のもとへ駆けつけた与謝野晶子が詠んだ歌です。コクリコとはひなげしの花のこと。フランスの代表的な花です。

初夏になるとフランスの野原には、晶子が見た時代と変わらず、真赤な絨毯を敷き詰めたようにこの可憐な花が咲き乱れるのです。

それは、息を呑むような美しさです。

 

コクリコの花は雄鶏の鶏冠に似ていますね。

「フランス」という国名が誕生する以前、この国は「 Gaule 」と呼ばれていました。

「 Gaule 」はラテン語の「 Galus 」に由来し、「 Galus 」は雄鶏の意味です。雄鶏はフランスの象徴的な存在として今日でも様々なところに登場します。

また、フランス語で雄鶏は「 Coq 」、その鳴き声は「 Cocorico 」、そしてコクリコは「 Coquelicot 」と書きます。この花の中に「 Coq 」、「 Cocorico 」、が隠れているわけです。

コクリコの花にそんなたくさんの「言葉遊び」を込めました。

そしてさらに、この花を日の丸の日に見立て、トリコロール(フランス国旗)の真ん中に置きました。

日本とフランス、二つの国の架け橋になることを願って・・・

 

Quartier Latin のこといろいろ

latin」とは、ラテン語。ラテンのこと。 スペイン語やイタリア語等の他のラテン語族と同じようにフランス語はもともとラテン語から派生した言葉で す。

Quartier」とは、「地区」「界隈」の意で、古代フランス語の1000年ごろには「4分の1」(英語の「quarter」 )の意味で使われていました。それが12世紀ごろには「部分」「一片」などの意になり、15世紀になると、現在使われている「地区」「界隈」の意味に変化してきました。

そして、「Quartier Latin」といえば、パリ左岸( rive gauche )、セーヌ川の南に位置し、ソルボンヌやパリ大学などが集まる学生街です。「ラテン地区」という名のとおり、昔この界隈の大学ではラテン語が共通語として話されていました。今も昔も、 パリの学問、文化の中心的なエリアです。